メリーさんのひつじ日記

文系PhD留学帯同妻のアメリカ・メリーランド州生活奮闘記です(/・ω・)/ 不定期更新

ハエは哲学 ~虫の画像とかないから安心して~

 

つい先日のことなんですけど。

 

外出禁止令が敷かれていて

スーパーに買い物に行くのも1週間に一度、

それ以外はずっと家にいて

どうぶつの森のエンディングを目指して

マイルをためて島ガチャをひいては住人を勧誘したり、

ネバーエンディングローンを返しながら

レンガのはしを建設したり、

 

なんでもない日々を送っていたんですよ。

 

その日も、いつも通りお昼ごはん食べ終わって、

旦那氏はオンライン授業(3時間くらいある)だね頑張って~なんて言いながら

自分は寝室でだらだらしてたんですけど。

 

その時に事件は起こったんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブンーーーーーーーーーー

 

 

 

 

('Д')

 

 

 

 

ブンーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

えっえっ('Д')

 

 

 

 

 

ブンッーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

ハエだ!!!!!!!|д゚)

 

 

 

 

ハエが出たんです…どこからともなく…

 

だらだらと「はるのわかたけ」の入手方法を調べていた私、

思わず飛び上がる。

 

まさに寝耳に水…

 

晴天の霹靂…

 

 

 

安いアパートですから、立て付けも悪く、

かなり力を込めないと開かない窓。

 

なんなら、鍵もろくにしまらない…。

 

たまに換気のために開けることはあっても

窓枠も汚いし(掃除しろ)、あんまり触りたくない窓。

 

 

もちろんその日もね…

 

 

 

 

 

開 け て な か っ た ん で す(キャーーー)

 

 

 

 

 

どこから!?

まじでどこから入ってきたし!?

 

プチパニックに陥るわたし。

 

そんな私を尻目にずっとブンブンいってるハエ。

 

 

 

旦那氏呼ぶ!?

あっでも授業中だ!(しかも3時間)

自分でなんとかしないと!?

 

 

 

とりあえず捕獲!?からの逃がす?

 

 

でも虫取り網もない!

 

これがもし実家なら

うちのオカンはずっとわたしが小学生のときに持っていた

「ショボいあみ」を今でも捨てずに持っていて、

こういう飛ぶ虫とかを捕獲してくれてたのだけど…

いまここにオカンはいないし…

 

 

 

虫取り網の代わりになるもの…何か…

 

うーん…

 

あっ

 

 

 

 

 

スーパーのビニール袋・・・・!?

 

 

 

 

 

戸棚を開けるとそこには、

生ごみをまとめるために取っておいた

スーパーのビニール袋がたんまりと入っておりました(汚い)。

 

 

 

 

 

これだ!

 

 

 

 

 

ちなみに、この間もずっとブンブンいってるハエ。

寝室、キッチン、リビング、

なんならオンライン授業中の旦那氏の背後まで駆け抜ける一匹のハエ。

 

おぬしの庭か、ここは。

 

これ以上の暴挙は許されない…

早く、仕留めないと…

 

 

 

 

 

ありったけの勇気と

うっすいビニール袋を両手に握りしめ、 

立ち上がった専業主婦。

 

 

 

 

 

 …いざ!

 

 

 

 

 

ブンッーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

いや、速すぎ!ハエ速すぎ無理!

わかってた無理だって!

 

「すれ違いざまにビニール袋に入ったらいいな☆」

なんて通用する相手じゃなかったよ!

 

くっそ速いよ!

 

 

無理無理無理!(*'ω'*)

 

 

 

 

 

即席ビニールあみ作戦、断念。

 

 

 

 

 

捕獲がダメならどこかから自然に逃げるのを待つのが良いんじゃない?

っていうか真っ先にそうするべきじゃない?

 

うん、わたしも同じこと考えてたんだ。

なんなら、ビニール袋を持ち出す前に。

 

でも、なんで捕獲作戦を決心したのかよく考えてみてほしいの。

 

 

 

 

それは、ビニール袋でハエと一戦交える2分前。

 

試しに窓を開けてみました。

すると、網戸が出てきました。

 

網戸に手をかけました。

 

 

 

ところが網戸は開きません。

うんとこしょ、どっこいしょ。

 

それでも網戸は開きません。

 

 

 

じいさん(旦那氏)はオンライン授業を受けているし、ひとりで頑張ってみるかぁ。

うんとこしょ、どっこいしょ。

 

それでも網戸は開きません。

 

 

ばあさんは網戸が開かない原因を、

力だけに求めるのは得策ではないと考え、

より本質的な原因を調べるため、窓枠をよく観察してみました。

 

 

すると…

なんと、網戸が窓枠に固定されているじゃないですか!

 

 

ばあさんは諦めて、窓を閉めました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

網戸開かないのかよぉぉぉ!

 

これって普通?アメリカでは普通?

 

ベランダにつながってる場合は開くの!?

うちのはただの窓だから開かないの!?

 

でも万が一火災とかあったときに

窓から逃げたいときはどうするの!?

 

なんで開かないの!?

 

 

 

 

 

まぁその話はさておき。

 

 

 

 

こうして網戸と格闘している間も、

ハエはまだまだぜんぜんうるさくて、

床すれすれの高さを急スピードで駆け抜けたり、

天井の四隅で気ままに旋回したり、

ブラインドと窓の隙間でガンガンぶつかりながら上を目指したり

超~アグレッシブ。

 

 

 

 

ばあさん、ついていけないよ…。

 

 

 

 

半ば、どうでもよくなって、

ハエを観察しだすばあさん。

そして何かに気がつくばあさん。

 

 

 

 

どうやら、

 

部屋を駆け回る

窓にぶつかる

部屋を駆け回る

窓にぶつかる

 

 

 

 

この一定のサイクルを繰り返している…

 

これは…

 

 

 

 

「光走性」だ!

生物の授業で習ったな…

 

 

彼or彼女は、光を目指して、外の世界を目指して、

本能の赴くままに力を尽くしているんだ…

 

きっと…お前も外に出たいんだよね…

 

 

 

 

 

 

うん…

 

 

 

 

 

 

わ た し も 同 じ 気 持 ち ☆ (゚∀゚)

 

 

 

 

 

速く逃がしてあげたい…

でも、網戸は開かないし、

捕獲もできない… 

 

絶望にかられて数十分…

ビビりだからさぁ…突然の虫とかしんどいんですよ…。 

 

 

 

このまま好き放題ブンブンされては、

心の平静を保つこともできない…

 

もう、自分の力じゃどうにもならない…

 

 

 

 

ここで、休憩時間に入ったじいさん(旦那氏)が、

光源を限定してみてはどうか、

という建設的なアドバイスをくれた。

 

そして、

授業が終わったら、一緒に戦うよ!

という、サブイベントをたくさん掛け持ちする勇者みたいな一言をかけてくれた。

 

勇者PhD留学オンライン授業中じいさん。ありがてぇ。

 

 

 

とりあえず言われた通りに、

部屋の電気をすべて消して、

ブラインドも一か所以外全部閉じて、

自分は電気を消した部屋に待機。

 

ハエと距離を取ることに成功…!

 

ハエは思惑通り、光のほうに留まっているようで、

私の周りでブンブンしなくなった。

 

 

 

 

――――ハエと自分に物理的な距離を保つことで、

冷静な自分を取り戻すことができました―――

 

 

 

 

 

些細なことで喧嘩してしまう子育て夫婦の体験談のようだ…。

平静を取り戻すばあさん。

 

こうして、ばあさんは再び

どうぶつの森攻略情報!つねきちの出現条件は?本物と贋作を見分ける方法って?」

に戻っていったのでした。

 

 

 

 

ふんふん…

 

ふむふむ…

 

へぇ~…やっぱり凝るひとはすごいねぇ…

 

なるほどねぇ…

 

うーん…

 

 

 

 

と、

かれこれ1時間くらいだらだらして、

さぁジュースでも飲もうかね、と立ち上がってふと気づく

 

 

 

 

あれ?

 

ハエがいない?

 

 

 

 

あれ?('Д')

 

 

 

 

さっきまでブンブンしてたのに?

別室にいてもなお、かすかにブンブン聞こえてたのに?

 

 

 

 

いない…?

 

 

 

 

ハエ、消える。

 

 

 

 

 

えーーーーーーっ(;´Д`)

 

 

 

 

 

ハエが消失した…

 

 

 

 

突然現れたかと思ったら

突如消息を絶った…

 

 

 

 

 

えーーーーーーっ…

 

 

 

 

 

既報の通り、窓は開けてない。

網戸も締まってる。

 

 

 

 

… 

 

 

 

 

 

 

 

 

ど こ か ら 逃 げ た し

 

 

 

 

ここで、

かの有名なポール・ゴーギャンの絵画が脳裏によぎったのでした。

 

我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか

 

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…これ、ハエのこと?

ハエはどこからきて、どこに行ったのかな…

 

 

 

 

いまもこれを書きながら、

NHKで昔やっていた、

ゴーギャンの絵画がオープニングに使われている

「シリーズ世界遺産100」のメインテーマが頭にずっと流れてる。

 

あのハエはどこかに行ってしまったけど、

また第二、第三のハエが出てくるかもしれない…

 

 

 

 

ハエは哲学…。

 

 

 

 

 

 

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